生きることに向いてない

ハッピーなうつ病ウーマンです。酒に強い男友達と、茶葉に疎い彼氏がいます。最近天使を飼った。あとはなんにもないです。

マツケンサンバで骨折したことはあるか

 

 

私が小学4年生の頃

テレビをつければマツケンサンバ、道を歩けばマツケンサンバという、世はまさに大マツケン時代を迎えていた

 

クラスのお調子者が「オ・レ!」などと

叫ぼうものなら途端に大爆笑が起こるような時代。あの時のマツケンサンバはうんこ・オナラと同等レベルの面白コンテンツに達していた

 

 

 

そんな中、その年の運動会での4年生の出し物がマツケンサンバに決まった

 

 

会場(4年C組)のボルテージは最高潮に達した

しかも担任の先生によると、金と銀のポンポンを持ってマツケンサンバを踊るのだという

 

金と銀が小学生にとってどれだけスペシャルな存在か、皆様にも容易に想像はつくと思う。

折り紙の中でも金と銀は特別な扱いを受けているし、金と銀の色鉛筆を持っている子は図工の時間で羨望の眼差しを受けていた

 

 

金と銀のポンポン。

それに加えてマツケンサンバ

これが盛り上がらずにいられるか!

 

 

中には嫌味を言ってくる人もいた。高学年の人たちだ。なぜ下級生である4年生がマツケンサンバで、自分たちが組体操なのだというわけだ。

 

そんなこと知るか。先生が職員会議で4年生はマツケンサンバと決めたのだから4年生はマツケンサンバだ、お前たちは組体操だバーカ!!という気持ちだった

 

 

私は来る日も来る日もマツケンサンバを踊り続けた。足が痛くなっても踊り続けた

金と銀のポンポンを持って踊る自分は未だかつてない輝きに満ちている気がしたから

 

 

 

 

それにしても足が痛かった。

かけっこの練習のせいに違いないと思い、私はマヌケヅラで病院に行った。かけっこが大の苦手である私は、この痛みがかけっこの練習のせいだと証明できればかけっこをサボれると考えたのだ

 

 

先生!私の足どうすか!痛そうっすよね!?

 

「あ〜折れてるね」

 

「えっ」

 

「最近なんか激しい運動した?かかとをめっちゃ使う感じの」

 

マツケンサンバを…」

 

マツケンサンバ

 

「はい」

 

「そうか…」

 

 

医師は頭を抱えていた。マツケンサンバで骨折した患者は私ぐらいなもんだろう

 

マツケンサンバ踊るの控えてね」

 

「折れてるってどういうことですか」

 

「う〜ん、疲労骨折してるんだよね」

 

それってアスリートとかがなるやつじゃないのか

 

 

 

かけっこをサボる気満々で病院に行ったのにマツケンサンバを禁止されてしまい、私はトボトボと帰った

 

 

神なんていないんだと思った

 

 

 

 

 

 

 

でもどうしてもマツケンサンバを踊りたかった私は骨折のことを隠して運動会当日マツケンサンバを踊った

 

かけっこは足が痛いのでサボった。嘘じゃないし。